米グーグル傘下の英グーグル、ディープマインド社は、囲碁の世界トップ棋士を次々と破った人工知能の「アルファ碁」を上回る最強AI「アルファ碁ゼロ」を開発したことを明らかにした。
AIのプログラムを改善し、従来のアルファ碁と違ってプロ棋士らの対戦データ(棋譜)を一切学ばず、自分対自分の対局を繰り返して打ち方を独学した。
わずか3日間の学習で従来のアルファ碁に100戦全勝したのだ。
従来のアルファ碁は、10万局以上のプロ棋士らの棋譜などを学んだ上で、自己対局を繰り返して勝率の高い手を学習した。
・昨年3月には、世界のトップクラスの強豪、韓国のノセドル九段に圧勝している。
・また、アルファ碁の改良版は今年5月、世界最強と称される中国人棋士、柯潔九段を3戦全勝で退けているのだった。
ディープマインド社は「ゼロ」を開発するにあたり、従来のアルファ碁では別々だったネットワークを統合するなど、自己対局のみで効率的に学べる新技術を導入した。
囲碁のルール以外は一切教えず、3日間で自己対局を重ねた結果、「アルファ碁ゼロ」は李九段を倒した当時のあのアルファ碁に100戦全勝で一蹴したのだった。
ディープマインド社のチームは
「この技術は、人間の知識の限界に制約されず、従来のアルファ碁より強力」
と述べている。
日本の囲碁現役プロ棋士・大橋拓文六段は
「ゼロの棋譜は、改良版の棋譜と非常に近いものを感じる。それでもゼロの方が強いということは、人間の知恵が足を引っ張っている可能性があると考えられ、悲しさを覚える」
と話している。
膨大な選択肢の中から最も有効な手を見いだすAI技術を開発してきたディープマインド社。
これまでも医療分野での画像解析や電力消費量の最小化などの研究にも取り組んできている。
同社の研究チームは、この技術の応用が期待される分野として、
・創薬に役立つたんぱく質の構造解析、
・新素材の開発、
・省エネ研究
などを挙げている、という。
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