海洋ゴミの人体への影響については、
今の現時点では、一応「ない」と考えられている。
マイクロプラスチック浮遊数が世界有数の東アジアの海域でも、海水1トン当たり3~4個程度なのだ。
海水浴をしたり、魚を食べて影響か出るという段階ではないのだ。
ただ、研究者の多くは海洋ごみの今後の増加を懸念している。
生態系への影響が確認されたのは実験室内の話だが、それが自然界での影響が確認されてからでは、もう手遅れだ。
プラスチックは分解されないし、細かくなってしまったら回収できないのだ。
浮遊する濃度が増え続けたら、人体への影響が現実のものとなる可能性はある。
現状は、最悪のシナリオを考えつつ、研究・予測している段階だといえる。
解決には、何が必要なのでしょうか。
現在の文明はプラスチックに、よって立っている側面がある。
もちろん、プラスチックを使わないのが理想だが、そういうわけにもいかない。
プラスチックがない産業構造も考えにくい。だから、一筋縄ではいかない難しい問題といえる。
あえて言うなら、「使わなくてよいプラスチックは使わない」という社会構造の変革が必要なのだ。
しかし、それは、文明の変革といってもよいでしょう。
例えばビニール袋やペットボトルなど、使い捨てが前提のプラスチック製品は「本当に必要なのか」というところから始めて、必要最小限のプラスチックしか使用しない社会構造を築かなくてはならない。
具体的な事例としては、米カリフォルニア州ではレジ袋の規制が始まっている。
根本的な解決に直結するわけではないが、こうした先例を徐々に広げるしかないのだ。
プラスチックの便利さを手放すには、覚悟が要求される。
社会の共通認識を世界的に育むという文明の「体質改善」が重要となってくる。
ポイ捨てがマイクロプラスチックを生み出す、との意識を広げる必要があるからだ。
専門家やNGO、産業界などの意見を踏まえ、必要があれば大胆な法規制を世の中のコンセンサスを得た上で進めることが求められる。
海洋ゴミやマイクロプラスチックは国境を越えて移動するので、マイクロプラスチックの多い東アジアの海域調査では、日中・日韓など国をまたいでのリサーチが必要である。
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