2017年3月28日火曜日

おいしい紅茶の秘訣は「ジャンピング」

紅茶をおいしく入れるコツは、茶葉を「ジャンピング」させることにあります。
 
これは「お湯に十分に酸素がある」ことと、「95度から98度のお湯」との条件がそろった時に、ティーポット内で起こる茶葉の上下運動のことです。

お湯に浸った茶葉に目に見えない酸素の泡が付き、そのその浮力で茶葉が浮かび上がります。

しぱらくすると余葉は水分を吸った重みによりゆっくりと沈み、今度は、熱湯による対流に乗って浮かび上がっていくのです。

この一連の動きにより、茶葉の一片一片が満遍なくお湯に混ざり、味や色、香りがしっかりと抽出されるという訳です。

使用する水は、含まれているミネラルの量によって硬水(含有量が多い)と軟水(少ない)に分けられます。

一般的にヨーロッパは硬水で日本は軟水です。

硬水は紅茶のカテキンと化合して色が濃くなり、渋みや香りがマイルドになります。

軟水は色が薄くなりますが、味が強く出て、香りも立ちやすい傾向があります。

硬水か軟水かは、飲む人の好みで使い分けるといいでしょう。

その上で大切なのは、酸素を多く含んでいる水を使うことが大事です。
 
水道水であれば、なるべく多くの酸素を含ませられるように、蛇口から勢いよく水を出すようにしましょう。

また、くみ置きの水ではなく、新鮮な水を使いましょう。

やかんやポットなどのくみ置きの水は、酸素量が少なくなっています。

ミネラルウォーターの場合は、よく振って空気に触れさせ、酸素を取り込んでから使用しするようにしましょう。




2017年3月13日月曜日

バーチャルリアリティの登場


自分の部屋を飛び出してフランスの首都パリの空を鳥のように飛び回ったり、海の中に潜って魚を見たり出来る。

そんな驚きの体験ができるようになっています。

これは「仮想現実バーチャルリアリティ、VR)」と呼ばれる新しい技術です。

現在はゲームなどの遊びが中心ですが、
技術がさらに進歩し、いろいろな分野で利用されることが見込まれています。


これを自宅でVRを体験するには、ヘッドマウントディスプレイHMD)という機械を頭に装着します。

分厚いスキー用のゴーグルに似た形をしていて、かぶると目の前の画面に現実の風景のような映像が写し出されます。
 
HMDには頭に動きを感知するセンサーがついていて、上や下を向いたりする頭の動きに合わせ、映像が滑らかに動きます。

まるで、画面の別の世界に入り込んだ感覚を味わえるというわけです。

これらの映像は高性能のパソコンなどによってつくり出されます。

乗り物酔いのように気分が悪くなることもあるのでメーカーはしようの対象を12歳以上などと決めています。
 
昨年は家庭用ゲーム機「プレイステーション(PS)4」につなげて遊ぶHMD「PSVR」が発売されるなど、VR体験がぐっと身近になりました。



VRは遊びだけでなく、わたし達のの生活を便利にすると期待されています。
 
将来ば自動車の運転免許や飛行機の操縦資格を取る試験を自宅で出来るようになるかもしれません。
 

試験場とインターネットで接続してHMDをかぶれば、実際に運転や操縦の試験と同じことができると、技術を開発している人たちは考えるからです。


また、プロ野球チームの東北楽天イーグルスがVR技術を使ったトレーニングシステムを今年から活用し始めるというニュースもあります。

これは打者が投手の投げるボールを仮想体験することで試合のパフォーマンス向上を目指すものです。

HMDを装着するとあたかも自身が実際のバッターボックスにいるような状態になり、
投手の投球を体験することが可能となるのです。



見る、聞くことに加え、触れる、かぐ、味わうという三つの感覚を再現する研究も進んでいます。

まだ広くは出回ってはいませんが、モノに触れた感覚を指に伝える機械も開発されています。

たとえば、HMDで小鳥が指にとまる映像を流すと、自分の指先にその重みが感じられるというのです。

これは腕に特殊な装置を巻いて体に弱い電気を流して実現させます。

こうした技術が完成すれば、ロボットと組み合わせ人の立ち入れない場所での作業が簡単に出来るようになります。

手頃な価格で現実に寄り近い感覚を再現できる製品やサービスを売る事を目指し、多くの会社が技術を競っています。


2017年3月8日水曜日

「ポスト・トゥルース」ー2

イギリスのオックスフォード大出版局は、2016年に「ポスト真実」を選んだことを紹介したあとで、評論家の宇波彰氏が新聞にこんなことを書いていた。要約してみると。

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「ポスト・トゥルース」は、イギリスのEU離脱に関して、マスコミが「真実」のみを追いかけて、「真実」よりも「感情」が重視される状況に気づかず、大衆の「感情」を軽視したということである。

これはアメリカの大統領選挙にかかわるマスコミの情報についてもあてはまるものであった。

マスメディアに限らず、何らかの集団が自分たちに不利な情報を受け入れない状況について、最近さまざまな考え方が示されつつある。
 
フランスの精神医学者デ思想家ジャック・ラカンは、
「主体の欲望は他者の欲望である」ということぱを残している。

これをわかりやすく言い換えると、
「私が欲しいものは、他人か欲しいものである」ということになる。

このことを少し次元を変えてみると、
「私の考えは他人の考えである」ということになる。

自分の意見と思っていることは、
実は誰かほかの人の意見であったり、テレビや新聞で知ったことである場合が多い。

われわれは自分が属している集団の意見を反復しているのである。

そのことを「集団思考」という概念で示したのが、アメリカの心理学者アーヴィングージヤニスであった。

もともとは政治・軍事などについての政府の意志決定について考えられたものである。

『リーダーズ英和辞典』によると、これには「集団順応思考<集団の価値観や倫理に順応する思考態度>」という意味がある。

ウィキペディアには、「集団浅慮」という表現もあるが、ウィキペディアのフランス版では「羊的思考」、さらには「集団的無思考」と規定されている。

ひとつの集団が何かを決めようとするとき、
「順応」が優先され、「羊のような従順」が原理になるということである。 

他方、最近の欧米のマスメディアには、「フィルター・バプル」ということぱが見られる。

これはアメリカの心理学者イーライ・パリサーが、著書『フィルターバブル』において示した概念である。

「フィルター・バプル」は、「情報濾過装置」といった意味である。

自分にとって都合の悪い情報を最初から排除してしまうことで、個人にも集団にも妥当する。

いまや、われわれはいたるところで「情報濾過装置」を作動させて、自分たちに不都合な情報をカットし、その結果「羊的思考」に陥っているのではないだろうか。


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