人間と同じ、2本の手と2本の足を使い、人と同じように動けるヒューマノイド。
災害救助や車の運転、介護や危険な作業も担えるロボットの現状はいまどうなっているのか?
新聞などでの最近の報道から、ざっとまとめて見ました。
早稲田大学の加藤一郎教授(故人)が世界初のヒューマノイド「WABOT-1」を発表したのは45年前のことです。
二足歩行や簡単な会話ができ、話題となりました。
また、2000年頃には、ホンダが階段歩行などができる「アシモ」を発表。
その頃まで、日本はヒューマノイド大国だったのです。
しかし、いまや、日本は世界を追う立場になった。
また、2000年頃には、ホンダが階段歩行などができる「アシモ」を発表。
その頃まで、日本はヒューマノイド大国だったのです。
しかし、いまや、日本は世界を追う立場になった。
大阪大学の杉原知道准教授(ロボットエ学)ば、そう指摘する。
象徴的だったのは、15年に開かれた米国防総省の国防高等研究計画局(DARPA)の災害救援ロボット競技会。
米国、韓国、日本などから23チームが参加した。
競ったのは、災害現場を想定し、バルブを回したり、ドアを開けたりする動きだ。
ヒューマノイド研究を切り開いてきた日本チームの活躍が期待されたが、韓国の大学チームが優勝。
日本の4チームは最高で10位に終わった。
杉原知道准教授(ロボットエ学)は
「日本では踊りなどのパフォーマンスが中心で、災害救助のように臨機応変に対応する研究は10年ほど前から停滞気味だった」
と敗因を分析しています。
一方、世界に目を向けると、ここ数年で、ヒューマノイドが大きく進化してきています。
注目されているのが、米ボストンーダイナミクス社の「アトラス」だ。テレビなどで映像が公開されているので見たことがある方も多いかも知れません。
後方宙返りをしたり、屋外を走り続けたりする動画が公開され、その能力の高さを示しました。
追いかける立場となった日本でも、巻き返そうという動きが出始めています。
昨年、東京都内で開かれた国際ロボット展では、離れた場所にいる人の動きを再現できる「T-HR3」をトヨタ自動車が発表しています。
人が、センサーなどを含む操縦装置を装着して動くと、その動きの情報がロボットに送られて動作を再現する。
将来は建設作業や介護などに役立てようと開発を進めている。
また、川崎重工業は2020年頃の製品化に向け、ソフトを套えることで災害救助など様々な作業に携わることができるヒューマノイドを発表。
人と同程度の体格で、防火服や防護服などを人と共有し、活動することを目指している。
大学でも、実用化を見すえた研究に挑む動きがあります。
早稲田大学の尾形哲也教授は、タオルの向きやしわなどを自ら判断し、二つに折り畳む口ボットを開発した。使っているのは人工知能(AI)の深層学習。
まず、人が遠隔操作しながら30~40回ほど夕オルを畳む。
タオルの状態や自分の手の位置などの視覚情報と畳んだ経験をたし合わせ、どう動けばよいのか、数秒先の未来を予測しながら動く。
「ロボット自身に学ばせて判断させることで、スムーズに状況に応じて動けるようになる」
と同教授は話しています。
東京大学の浅野悠紀助教の研究チームも、人の筋骨格を再現した「腱悟郎」を開発した。
全身に100を超える関節があり、人と同じ体格を生かして車の運転席にも乗り込める。
昨年から愛知県豊田市と共同で、車の運転に挑んでいる。
いまは、ハンドルに手をのせ、アクセルに足をのせて直進するのがやっとだが
将来は人に代わって運転したり、荷物運びなどをサポートしたりできるようにしたい、している。
与えられた課題に取り組むヒューマノイドたちはどことなくぎこちなさが残ります。
「役に立つようになるのはまだまだ先の話」というのが開発者たちの共通認識だといいます。
というのも、多くのヒューマノイドは電源コードにつながれ、平らな地面など動きやすい環境がどうしても必要なためだ。
単なるパフォーマンスではなく、人と暮らす、役立つロボットの実現に向けた研究の進歩に期待したいところです。
関連参照:
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