2017年1月8日日曜日

腹八分目を考える

長寿の人に食事で心掛けていることを尋ねると、
「腹八分目に医者いらず」や「食は控えめで、ちょうどよい」
といった、食べ過ぎを諫める言葉がよく出てきます。

 
腹八分目が健康に役立つのかどうかというテーマは、約80年前から科学的にも研究されていました。

原生動物やミジンコ、サクラグモ、ラットなどは、通常食よりも、エネルギー制限食をした方が、平均寿命が1.4~1.9倍延びたそうです。

現在、行われている実験の多くは動物実験なので、人間にそのまま当てはめてよいかどうかは明確ではありません。


近年の研究では、

・エネルギー制限食は、長寿や老化をコントロールする遺伝子と関係しているのではないか
・生活習慣病の予防改善
・加齢による老人性難聴、脳機能低下などの予防改善

に役立つのではないかと期待されています。


しかしあまり厳しく制限し過ぎると、エネルギーや栄養不足になり健康障害が起きます。

特に、食の細いお年寄りは栄養バランスを取りにくくなりますから、身体レベルなどを見極めなければ危険を伴います。

最近は低カロリーやゼロカロリーの人工甘味料を使用したダイエット飲料が人気です。

しかし、脳はカロリーのある糖質でなければ満足感を得られず、またダイエット飲料を飲んだという安心感が油断を招くためか、結局多く飲み続けている人は肥満傾向が高いという結果も報告されています。

日本では、食べ切れずに捨てられる食品廃棄物が年間約2000万トンといわれています。
ー方で食事がままならない子どもたちが増え社会問題となっています。

「腹八分目」という言葉には、わが身のことばかりではなく、他者への配慮や、食べ物を大切にしなさい、という意味もあるのかもしれません。


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