遺伝子を効率良く改変する「ゲノム編集技術」を応用し、受粉しなくても実が成長するトマトの開発に成功したと、筑波大や神戸大などの研究チームが発表した。(読売新聞など)
その論文が3月28日、英科学誌「ネイチャー・バイオテクノロジー」電子版に掲載された。
トマトの温室栽培では、花粉を雌しべにつける授粉作業などの負担が大きい。
しかし、この新技術によってコスト削減が期待できるという。
トマトの実は、もともと受粉なしでも成長する力を秘めているが、同チームは、それを抑えている遺伝子があるのを発見した。
そしてゲノム編集技術を改良した新手法で、この遺伝子の働きを弱めた品種を作ったところ、受粉しなくても種のない実をつけた。
また、同じ手法でイネを品種改良し、除草剤への耐性を強めることにも成功した。
このチームの有泉亨・筑波大准教授は
「今後は、ナスやジャガイモなど様々な野菜ヘの応用を目指したい」と話す。
これについて、植物のゲノム編集に詳しい村中俊哉・大阪大教授は、
「新たなゲノム編集技術で作られた農作物の安全性は慎重に確認する必要があるが、
品種改良のスピードアップやよりおいしく健康に良い品種の開発など期待できる」
と話している。
関連参照:
0 件のコメント:
コメントを投稿