2016年1月22日金曜日

マーガリンとショートニングは「健康の大敵」


これまでの栄養学は、どちらかというと『引き算』の食生活を日本人に提案してきました。

発ガン物質や動物性脂肪に代表されるように、「これは食べてはダメ、あれも危険か大きい」といった具合にネガティブな恬報を発信してきたわけです。
 
これに対して分子栄養学では、基本的に「足し算」の食生活を考えます。

栄養は必要な絶対量が決まっているから、必然的に
「これを食べなければいけない、あれも必要だ」
というポジティブな発想になるのです。
 
ただ、そうはいっても「引き算」がまったく不要なわけではありません。
やはり有害な食品はあります。

現時点で、健康のために「食べてはいけない」と断言できるのは、
バターの代用品であるマーガリンと、ラードの代用品であるショートニング
この2つだけです。
 
今までの「常識」では、これと逆のことが言われてきました。

ほとんどの人は、バターよりマーガリン、ラードよりショートニングのはうが、健康にいいと信しているに違いありません。動物性脂防に対する誤った認識が広まっていたからです。

動物性脂肪の優秀さを理解しているわけだから、バターやラードを避ける理由など何一つないのです。

マーガリンやショートニングか有害だという理由は、単にそれが酸化しやすい脂肪を梗っているという点ばかりではありません。これらの代用食品は、もっと重大な危険をはらんでいるのです。
 
マーガリンやショートニングの原料となる魚の脂肪や植物油は、常温では液体になっています。
したがって、そのままではバターやラードの代用品にすることができません。

そこで水素を添加して融点を上げ、常温でも固まるようにしたのかマーガリンとショートニングです。

ここで問題になるのは、水素を添加したときに分子の立体形が変わってしまう点です。
そこが、バターやラードとは本質的に異なる部分です。
 
かつてドイツで、クローン病と呼ばれる難病が多発して社会問題になったことがあります。

口から肛門にいたるまで、消化器官全体に潰瘍を起こすという恐ろしい病気です。

しかも自己免疫を起こしてしまうから、きわめて治りにくいのです。

少し快方に向かったと思っても、自分自身の免疫システムがそれを「悪い状態」と判断して、
自分の体組織を攻撃しはじめるからです。

突然、こんな難病の話を持ち出したのは、その原因がマーガリンにあるとされたからです。

クローン病が多発した時期は、ちょうどドイツでマーガリンが新しい食品として発売されはしめた時期と重なっていました。

そこで、この代用バターの有害性が注目されるようになったのです。

では、マーガリンの何が有害なのか。

分子生物学者の三石巌氏は、こんな仮説をたてていました。

「分子の立体形が変わったために、体内でプロスタグランディンを作れなくなることが、有害性を
生む要因ではないかというものである。

そして最近になって、イギリスの学者の論文に、私の仮説とほぼ同じことか書かれていた。
プロスタグランディンとは血圧や血液の粘度などさまざまな体機能を微調堅するホルモンである。
不足すると喘息や脳梗塞などにもつながる、きわめて重要な物質である。

たとえば、陣痛促進剤にはこのホルモンが使用されている。
本来は、陣痛が起きるべきときになろとプロスタグランディンが体内で作られるのである。
 
この物質は過酸化物なので、長く体内にあると害をもたらすことになる。
しかし、まったく作られないと微調整ができない。

両刃の剣のような物質というわけだが、生体は合目的的にできているので、その危険を避けるために、プロスタグランディンは生成されて1~2分もしないうちに素早く働き、たちまち消えるようになっている。

このプロスタグランディンの生成を、マーガリンやショートニングといった硬化油か邪魔をするのではないかと私は考えていた」

理論的に考えていけば、必然的にそうなるはすだと推論したのである。

その仮説が、イギリスの学者の研究によって実証されることとなった。

関連参照
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