2016年1月8日金曜日

医師国家試験で栄養学を教えよ

日本の医学教育の最大の問題は、
栄養学を教えないことだ、と言う声を聞くことがよくあります。

最近また、耳にしましたので、ちょっと紹介します。


精神科医師・和田秀樹氏の最新の著作にそう言う指摘がありました。

見ていきます。


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日本の医学教育の最大の問題は、栄養学を教えないことです。

医学部には栄養学の教授は、ほとんどいないので、教えることができないのです。

栄養学の講座があるのは栄養大学です。

テレビ番組で栄養関係の話題のときには、医者ではなく女子栄養大学などの先生が解説することがほとんどです。
 
医者は「ビタミンB1を摂ったほうがいい」ということはわかっていても、どうすればビタミンB1を摂れるのかがわかりません。

栄養学を学んでいないので、どの食品にどんな栄養素が含まれているのか知らないのです。

薬よりも食事で体質を改善したほうがいいと言うことを理解している医者もいますが、
どんな食事メニューがいいのかを示すことはできません。

食事のおいしさも考えなければ患者さんのQOL(生命の質)は低くなってしまいます。


ほとんどの医者は栄養のことをまったく学んでいないので、
薬を出すことはできても、食事と栄養の指導はできないのです。

しかし、医療において栄養ほど重要なものはありません。

日本の死因の一位はがんであり、日本はがんで死ぬ人が多い国です。

がんと一番密接に関わっているのは免疫機能です。

免疫機能が下がるとがんの確率を高めてしまいます。

その免疫機能と関係しているのが栄養です。

それにもかかわらず、日本の医学界はいまだに栄養を軽視しています。


欧米の場合は、心筋梗塞や脳梗塞で死ぬ人が多いですから、栄養に関して日本ほど大きな問題はないでしょう。

さらに言うと、欧米人は栄養を摂り過ぎているので、摂り過ぎないようにするだけです。
栄養についてはそれほど気にしなくていいかもしれません。


しかし、日本のようにがんで死ぬ国では、栄養は重要なウェイトを占めます。

1980年代にアメリカで「肉を減らせ」という運動が起こったときに、
世界的に見て肉を摂っていない国であるのに日本はそのまねをしました。

そのとき、日本人と欧米人の栄養の違いなどはまったく考慮に入れられていませんでした。

医学教育で栄養学を疎かにしていることが日本の医療の大きな問題点なのです。

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出典
和田秀樹 『だから、これまでの健康・医学常識を疑え』 WAC


関連参照
ビタミン・ミネラル活用事典

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