2016年2月5日金曜日

豆腐入りのワカメ汁


ワカメなどの海藻は、
欧米では古くから「シーウィード海の雑草)」と呼ばれ、
せいぜい家畜の飼料や肥料ぐらいにしか使われませんでした。
 
ところが、最近では大きく変化しています。


ヘルシー志向の高まりもあって、

「シーベジタブル(海の野菜)」と呼ばれるようになり、

日常的に食用にする人たちが増えてきています。


いま世界的に脚光を浴びている「ワショク和食)」の影響があるのはいうまでもありません。


長寿年齢上位の日本人は、昔から昆布やワカメなどの海藻を常食にしてきました。
 
しかも、日本人は朝から何種類かの海藻を食べ、それが健康長寿の大きな支えになってきたのです。

和食の場合ご飯に味噌汁はつき物ですが、朝ごはんにはワカメと豆腐の入った味噌汁が多く、家庭だけでなく、旅館やホテルでもよく出ます。

これは占くから狭い島国に住んできた日本人の知恵で、
人口密度の良い社会でイライラしないで、楽しく暮らすための知恵だったのでしょう。
 
なにしろ、豆腐入りのワカメ汁にはカルシウムがたっぷり含まれていて、以下に示すように多いのです(いずれも100グラム当り)。

・木綿豆腐・・・・ 120ミリグラム
・乾燥ワカメ ・・・ 780ミリグラム
・赤色系味噌・・・130ミリグラム
・煮干し    ・・・・2200ミリグラム

だしは煮干ですが、煮干にはアミノ酸に加えてカルシウムが豊富です。

カルシウムは単に骨を丈夫にするだけではありません。

「食べるトランキライザー(精神安定剤)」ともいわれるように、
神経の興奮を鎮め、ストレスを解消する大事な作用があります。
 
さらには、カルシウムは脳の中の神経伝達物質アセチルコリンの働きを助け、
情報のやりとりをスムーズにする働きもしていて、記憶力や学習能力、創造力とも深い関係があります。

火山国の日本列鳥は、カルシウムの少ない火山灰上で形成された田畑が多く、加えてよく雨が降るので、土壌中のカルシウムか流失しやすいのです。

したがって、野菜にも穀物にもカルシウムが少なく、その不足分を補ってくれたのが、ミネラルたっぷりの海水の中でのびのびと育ったワカメなどの海藻でした。

さらには、だしとして用いられている煮干しやカッオ節には、カルシウムに加えて、ビタミンB1やB2もたっぷり含まれています。これらのビタミンB類はワカメにも含まれています。

このビタミンB類は脳の機能を向上させるために欠かせない成分です。
朝ごはんで豆腐入りのワカメ汁を食べて頭の回転を上げてください。
 
豆腐入りワカメ汁のパワーをよく知っていたのが江戸っ子です。

ワカメ汁が、今よりもはるかに過密都市だった江戸で暮らす人々のストレスの解消に効果的で、世渡りをスムーズにすることを、江戸っ子は経験的に知っていたのでしょう。
 

関連参照
和食の知識
和食・粗食を考える
中高年からの筋肉作り  
ビタミン・ミネラル活用事典
健康ライフのヒント集
スリムさんの感想


↓クリックをお願いします





0 件のコメント:

コメントを投稿