2016年8月27日土曜日

社会インフラとしてのドローン活用

社会インフラとしてのドローンの活用の可能性を探る動きがある。

ことしの7月から国の研究機関である国立情報学研究所が東京の奥多摩町と共同でドローンと人工知能(AI)を使い「生活改革」を目指す実証実験をはじめたのだ。

どのような研究を行っているのだろうか。

奥多摩町にどのような課題がありそれをいかに解決できるのか。
2年間で成果を上げたいとしている。

具体的にはAIを活用して複数のドローンを自動飛行させ、日用品や食品、図書館の本、医薬品や高齢者など必要な人に届けるシステムを開発する。獣害を防ぐため、サルなどが人間の居住権に近づく前に追い払う技術の開発に対する町の期待も大きいようだ。

また、地域活性化へラフティングなどの水上スポーツの撮影を通した町の魅力度アップにも貢献するとしている。

また、防災面でもその活用が期待されている。同研究所では、撮影した映像の解析を重ねてデータの特徴を認識するディープラーニング(深層学習)の技術なども開発している。

こういった技術なども活用して火災や土砂崩れの兆候などを捉えて通報する技術なども確立したいとしている。

また、土砂崩れや大雪などで孤立した集落への救援物質の輸送などもドローンは比較的簡単に出来るのだ。だから社会インフラとして使えるドローンの技術の確立が基本となる。

ドローンの強みとして輸送コストが安いということが上げられる。一回、飛ばすのに数十円しか掛からない。

大きな荷物も小分けすればいいだけのことだ。

さらに傾きなどを検出して制御するジャイロシステムを備え、ある程度の強風にも耐えられるという。
航続距離も伸びていくだろう。

こうした強みとソフトウエアの研究成果がうまく融合すれば山間部や離島などにおける生活が劇的に変わる可能性がある。


ドローンの普及で人と人の関わりが希薄になりはしないか、という問いかけもある。

が、そうとは限らない、と思える。

奥多摩町の実証実験では、集会場などをハブ(拠点)とし、複数のハブをドローンがつなぐ予定で、コミュニティー内のハブに荷物などを届けることで、ドローンが人と人をつなげるという側面も生み出せるのだ。
 
また、いくら自動制御が進んでも、必ず人間の判断か必要となる場面が出てくる。

例えば、災害が発生した際の対応など、最終的な判断は人か下さなければならない。

その意味で、何らかの事態が発生した際、人が責任を持って対応できるよう、人と機械の判断の領域を用確に立て分けておくシステムの構築が、今後の課題だといわれている。
 

ほかにも千葉市などが4月から、ドローンを使った自動宅配サービスの実証実験を始めるなど、インフラとしてのドローンの開発は進みつつある。

ただ、世界に比べると技術開発は遅れているのが現状だ。

「ドローンは人間が操縦するラジコンの延長」といった意識は、もう捨て去らなければいけない。

今後は、AIや情報通信、センサー技術など、日本の技術の強みをドローンに生かすことが世界と闘う上で不可欠となる。

そのためには、ドローンか使用できる電波の周波数拡大など、研究を後押しする環境をさらに整えていくことが必要だ。


落下や接触など危険性への対策としては、高度なセンサーの搭載といった技術の進歩で、リスク(危険)が低減していくことは間違いない。

さらに、AIを活用した高度な自動飛行技術の進歩で、落下の可能性自体も下かっていく。

ただし、制御不能になった際の安全確保策など、万が一ヘの備えも十分に整えておきたい。

一方、ドローン同士のネットワークシステムが広がりゆくことを考えれば、ハッキングヘの対応など通信面の安全対策に今後、さらに力を入れる必要がある。

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