しかし、どんなに器が立派であったとしても、もしも水道管が錆びていて濁った水しか出てこなかったり、ガス管が脆くてガス漏れがしたり、電気がうまく通っていなかったとしたら、その家はどうでしょう?
水があっても、ガスがあっても、電気があっても、それらが適切に通っていなければ、使うことができません。
水やガスや電気が使えない家など、不便で生活することはできません。
骨が柱、筋肉が壁や屋根だとすれば、血管は、水道管やガス管や電気の配線のようなものです。
昨今、メディアでは、血液サラサラ効果を謳った食品がよく取り上げられています。
もちろんそれは大切なことですが、血液がサラサラになったとしても、それを運ぶ血管がボロボロで、どこかが破れていたり詰まっていたりしては、元も子もありません。
いくらよい血液が作られたとしても、運搬する道に問題があったら、身体の隅々にまで運ぶことはできません。
若々しくて柔軟な血管でなければ、酸素や栄養が溶け込んだ血液を、必要なところまで十分に届けることはできません。
そこで、血液をサラサラにするだけでなく、血管の若さを保つことがとても大切になってくるのです。
また、血管というのは全身につながっているものですから、どこかで滞っていたら、体全体に影響を及ぼしてしまいます。
では、血管の柔軟性を保つにはどうすればいいのでしょう?
血管も筋肉ではありますが、骨格筋のように意識的に鍛えて大きくし、働きをよくすることはできません。
しかし、血管を傷つけるとされる危険因子を取り除いていくことは可能です。
活性酸素や骨から溶け出て結石化か始まっているカルシウムなど、血管を傷つけるとされる危険因子の存在は明らかになってきています。
つまり、それらの危険因子を取り除いていくことが、血管年齢を若々しく維持することにつながると考えられます。
また、血管の若さを保つためには、血糖値をコントロールすることも重要です。
血糖値が高くなると、どうしても血管が脆くなりますから、普段から血糖値を意識した食生活をし、血糖値が高くならないよう気をつけることが必要となります。
メタボリック症候群が問題視され、ウェストサイズを縮めることが推奨されていますが、実は、お腹まわりの脂肪だけを減らしてもなんの意味もありません。
脂肪が減っても、血管そのものが脆く、動脈硬化を起こしかねない状態だとしたら、根本の問題解決にはならないのです。
動脈硬化にならないようにするには、お腹まわりの脂肪を気にするだけでなく、血管を柔軟に保つことにも注意を払わなければならないということです。
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