「公園を散歩していたら、本の根っこに足をひっかけて転んでしまった」
「リビングの床に積み重ねた本をひょいっと軽く飛び越えようとしたら、足のつま先がひっかかって大きくバランスを崩した。危うくガラス窓に頭から突っ込んでしまうところだった」
「会社の運動会に引っ張り出されて久々に走ったら、足がもつれてぶざまに転んでしまった。ああ恥ずかしい」
こういった経験、おありなのではないでしょうか。
こういうふうに転んだりつまずいたりしたとき、きっと「ああ、今日はなんて運が悪いんだ」とか。」
「ちょっと不注意だったかな」とかと思いますよね。でも、それは違うのです。
転んだのは、まぎれもなく筋肉が落ちてきたせいなのです。
通が悪かったせいでも不注意だったせいでもありません。
たとえ30代、40代でも、身に覚えがあるのであれば十分気をつけたほうがいいでしょう。
そもそも、筋肉量の低下は足腰などの下半身を中心に進みます。上半身と下半身の筋肉減少率を比べると、下半身のほうがなんと1.5倍も大きいのです。
そして、下半身の筋肉量が減ってくると、その影響は少しずつ「歩行能力」に表れてくるようになります。
どのように影響か出てくるのか、ちょっと流れを辿ってみましょう。
30代、40代は、「自分はまだまだ動ける」と思つているのにもかかわらず、少しずつ体がついてこられなくなって、ギャップに首をかしげる時期です。
典型的なのは、子供の運動会でいいところを見せようとして転んでしまうというパターン。
自覚はなくとも下半身の筋肉量低下は徐々に進んでいて、その分足が上がらなくなっているのです。それで、つまずいたり転んだりするたびに「こんなはずじゃなかったのに」と思い始めるようになります。
また、50代、60代になると、筋肉量低下の進行とともに、歩行の力強さや安定感が年々じわじわと低下するようになります。
自分ではいつも通りに歩いているつもりでも、だんだん足が上がらなくなり、徐々に歩幅も縮まって、少しずつ歩行スピードが落ちてくるようになるのです。
これにより、わずかな段差に足をひっかけて転んでししまったり、ちょっとした障害物に足をとられてつまずいたりということも多くなってきます。
さらに、70代、80代となると、筋肉量の減少がグッと進んで、歩行機能に誰の目にも明らかな衰えが見られるようになってきます。
いちばん多いのは、歩き方が「すり足気味」になるパターンです。
足をほとんど上げず、歩幅を狭くして、すり足をするようにチョコチョコと歩を進めるようになるのです。
筋肉か落ちたために足を上げる力や踏み出す力が衰えて、小刻みに足を出さざるを得なくなってしまうのです。
この「すり足歩き」はとてもつまずきやすく、ちょっとしたことでバランスを崩して転倒してしまいがちです。
転倒時に骨折したのを機に寝たきりになってしまう人も少なくありません。
すり足をするようになったら、もうかなり足腰が弱っていると考えたほうがいいでしょう。
「最近、つまずきやすくなった」というのは、じわじわと減り続けている筋肉が発しているSOS信号なのです。
決して甘く見て放っていてはいけないのです。
きっと、みなさんのなかにも知らず知らずのうちに歩行能力を落としてしまっている方が少なくないはずです。
ハッとされた方はいまからでも遅くはありません。
筋トレを習慣づけて下半身の筋肉を強化するようにしてください。
関連参照:
中高年からの筋肉作り
転ばぬように、歩き続ける方法
スポーツと栄養と
40歳の不都合な真実
焦げ・枯れ・錆びと老化
健康ライフのヒント集
スリムさんの感想
0 件のコメント:
コメントを投稿