2015年5月28日木曜日

昭和50年型の食事ー2

一方、皮下脂肪は体にとって、それほど悪いものではない。

体重増加による関節痛や腰痛など、物理的なマイナスはあるが、重大な病気につながるようなマイナスはほとんどない。
 
内臓脂肪がどれだけついているか、正確に知るためには、CT検査をするしかない。

CT検査とは、X線を使い、体の断面図を撮影するものだ。

脂肪の量やついている場所が一目でわかるため、テレビの健康番組などで、見たことのある人も多いのではないだろうか。

 
しかし、一人ひとりCT検査をするのは、費用の面や被曝の問題からも、現実的ではない。

もっと簡単に判断する方法はないかと考え出されたのが、今のへそ周りを測る方法である。

へそ周りの内臓脂肪の面積が、計100平方センチを超えると、生活習慣病にかかりやすいことがわかっている。
 
腹囲が、男性で85センチ、女性で90センチを超えると、内臓脂肪の面積が100平方センチを超えている可能性が高いという。
 
なぜ、内臓脂肪が溜まるのか? 理由は簡単だ。「食べすぎ」である。
 
食べ過ぎや運動不足が続くと食事で取り入れたエネルギーが消費されず、身体の中で余ってしまう。

余った分は内臓脂肪に取り込まれるがそれでも残った場合、皮下脂肪やさらには肝臓に蓄えられる。
 
また、「量」だけではなく、食事の「質」も問題だ。パンや麺類、砂糖など、吸収の速い食べ物は血糖値が上がりやすく、すい臓からインスリンが大量に放出される。

インスリンには、糖を脂肪として取り込む働きがある。

パンや麺類、甘い物を食べ続けると、体質的にも、脂肪を溜めやすくなってしまうのだ。

身体に脂肪がつくことは、「今の食生活は間違っていますよ」「このままでは病気になりますよ」
という体からのサインにほかならない。
 
同じ肥満でも、男性と女性では、脂肪のつき方が異なる。
 
男性に多い内臓脂肪型は、へそ周りが膨らむことから、「リンゴ型肥満」と言われる。
 
一方、女性に多いのが、皮下脂肪型だ。お尻や腰周り、太ももなど、下半身に脂肪がつくことから、「洋ナシ型肥満」と言われる。
 
女性が腰周りに脂肪がつきやすいのは、女性ホルモンのためだ。
 
柔らかい皮下脂肪は、子宮や内臓など、体の重要な器官を守るためのクッションとしての
役割もある。
 
生殖年齢にある女性は、女性ホルモンの働きによって、残ったエネルギーを内臓脂肪よ
り、皮下脂肪として蓄えやすい。体が妊娠・出産に備えて、外部の衝撃から身を守ろうとし
ているのである。
 
女性ホルモンには、他にも血圧を下げたり、動脈硬化を防止したりする効果かおる。男性上り女性のほうが長生きなのは、女性ホルモンの働きが大きい。
 
しかし、だからと言って、安心は禁物だ。女性ホルモンは更年期を境に、量がぐっと減ってしまう。そのため50代を超えると、男性と同様、内臓脂肪が溜まりやすくなる。
 
内臓脂肪は、よく「普通預金」に例えられる。溜まりやすいが、習慣を少し改善すれば、簡単に落とすことができる。ぽっこりと出た腹は、ひと月もすれば引っ込むはずだ。
 
一方、皮下脂肪は「定期頃金」のようなものだ。溜まる速度はゆっくりだが、落とすのが難しい。

妊娠・出産など、いざという時に役立つ反面、使う機会がないと、減らすのに苦労する。

一度ついた皮下脂肪は、ダイエットをしても、なかなか落ちにくい。

いくら筋トレや運動をしても、下腹やわき腹についた肉はそのままというのは、多くの女性に共通する悩みではないだろうか。

 
筋トレやつらいダイエットをしなくても、簡単に脂肪を落とす方法がある。

ご飯を中心とした昭和50年型の食事は血糖値を上げにくく、インスリンが出にくい。そのため、食事のエネルギーを熱として放出するほうに、体が変わってゆく。
 
それが「昭和50年型の食事」(1975年)なのだ。

続けることで、自然と太りにくく、やせやすい体質になってゆくのである。



関連参照:
スーパー和食。調査方法
ビタミン・ミネラル活用事典
老化。焦げ・枯れ・錆びと
シニアからの栄養学
サルコペニア予防  






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